うつ卒業しました。

上を向いてみよう

実にシンプルなことを書こうとしています。見出しを見ればそれはお分かりと思いますが、それは「上を向く」ということ。顎を上向けて、鼻の頭を空に向けて、目を地よりは空に近いところに向けること。
胸に、太陽の陽がまっすぐあたるように立つこと。そのことが大事である、ということを書こうとしているのです。

もちろん、昔から歌でもうたわれているように、上を向くということは大事なことです。重力の法則に従って、ほうっておけば下に落ちてしまう涙が、そうなってしまわないように上を向こう。そう明るく呼びかける歌が、人々の口笛やハミングになった時代がありました。
誰もが、その心を大切に、と思いながら生きていた時代がありました。私たちは、せわしなく少々やかましく、いろいろなことが一度に起こりすぎる今の世の中であるからこそ、もう一度そのことを考える必要があるかもしれません。

実際、うつ病の診断を受けるような人の特徴のひとつには、「猫背」とか、「目を伏せがち」とか、そういうことがあると言われています。うつ病は気分が沈んでしまったり、気力がなくなってしまったりする病気です。
食欲不振になったり、肩や頭がやたらと重かったりという症状があります。
イメージ的にはどうしても、下を向いて青い顔をしている人の図が思い浮かぶことでしょう。そういうわけで、うつ病と「下を向く」ということは、切っても切れない関係にあるといえるわけです。

うつ病と診断されてしまったとき、あるいは診断してもらう必要があるかと思えるとき、「上を向く」ということは悪いことではありません。
もちろん、「上を向かなきゃ」という強迫観念めいたものが症状を重くしてしまうこともありますから、あんまり思いつめるのはよくないと言われていますが。
しかし、たまには空の美しさを確認してみるように、目を上げて見るのもいいでしょう。吹いてくる風の匂いを胸いっぱいに吸い込み、透きとおるような空の青を見つめていたら、糸の結び目がひとつ、ふわっとほどけるかもしれません。